大阪 京橋 大衆酒場



世界一汚くて、世界一旨い店。大阪は京橋にある大衆酒場。関西にいた頃の一時期によく行った店。正月に実家帰って約一年半ぶりに行けた。

ほんと久しぶりなので、ちょっとドキドキしながら店を開けると、客誰もいない。
5時半だったからだけど、この感じがよい。まぁこの店、よく誰もいないことがあったなぁ。誰もいなくても、ちびちびやってると、ポツリポツリと入ってきてはまた去っていく感じ。で、みんな好き勝手に飲んでる。親父と話したり奥さんと話したりテレビの阪神戦みたり競馬新聞読んでたり。話は大体適当。話題が会えばかなり自然発生的に盛り上がったりする。兎に角、客層は濃いので、腹の探り合いはない。みんなストレートど真ん中の汚い言葉で勝負する。で、そのド汚い言葉の中に、よく真実が潜んでたりする。そういうのがとてもいい具合。まぁ変な店でもある。

随分久しぶりだったけど、入ってすぐ店の親父と目があうと、親父、歌いだす。

 私のお墓の前で 泣かないでください
 そこに私はいません 眠ってなんかいません~♪

と、あの「千の風にのって」を歌いだす。
ウソのようでホント。

それで、「死んだ人があの世から帰ってきたでぇ~」なんていう。
ウソのようでホントのやりとり。

店は、何かにつけ昭和の香りのする奥さんと、この親父で回している。親父、一年半前には抜けてた前歯が一本だったけど、さらに抜けててひどくなってた。

カウンター、7、8人座れて、4人掛けのテーブル席が3つある。店は、本当に汚いし、夏は暑いし、冬は寒い。親父ごめんよ。これでも誉めてるんだが。



換気扇、右は掃除したらしい。左は来年とのこと。こんな具合も心地よい。



メニューはすべて手書きで、壁一面に貼られている。ほんとにめちゃくちゃ貼ってある。どんだけメニューあんねんっていうくらい。ただの飲み屋だけど、密かに僕はこの親父の書のセンスはアートだと思っている。紙もちゃんとしたのではなく、なにかの裏紙を使ってたりする。



ショーケースはゴーヤ一本とトマト一個。いつもこんな感じ。たぶん電源も入ってないと思う。ただの棚化してると思う。たしか、この店、普通の冷蔵庫がなかった記憶。クーラーボックスに氷入れて冷やしてたと思う。電気もかなり暗い。ここにくると、エコってお洒落で格好よくなんてことは言えない。ロハスとかもきっとタブー。サステナブルなんて口にすると、きっと、「擦って弄るんかぁ」とか返しが来ると思う。でも、この店は結構エコだと思う。メニューに書いてあるもの100%うまいし、ちびちび飲む客は食い物残さないし、冷暖房はOFFだし。この店を基準に考えると、エコって汚くて恰好悪いことなんじゃないかと思えてしまう。それがいいと思う。ただの大衆酒場なんだけど。



まずは、東京では食えないどて焼を。どて焼ってのは、ジャンル的には東京の煮込みみたいなもの。モツとかすじとかを甘辛く味噌で煮詰めた感じのもの。旨いよ~。煮込みと同じで、店によって味が違うから面白いよ。



ここで飲む酒はにごり。奥さんがついでくれる。ぎりぎりまでついでくれるから、いつも「ストップ!」と言わないといけない。このやりとりがかなり好き。

ネギマ。最高。汁もゴクリ。



あと、まぐろの唐揚げと玉子焼きを食べて、一時間ほど飲めた。
店を出るときは、「あの世に帰るわ!」なんて言うと、「ちゃんと三途の河渡るんやで~」と愛情たっぷりの返しをしてくれる。ほんま温かい。



やっぱここは世界一。
僕の大衆酒場の原点。
また、帰ったら絶対行きたい。

3 件のコメント:

  1. 匿名1/11/2008

    おもしろい 面白い オモシロイ~~♪♪
    関西色 バリバリな感じー^^

    みんなお笑い芸人?のようだよね!

    あたしも こういうお店 大好きやで~♪

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  2. 匿名1/11/2008

    それで唄ってたんやね。
    今度帰ったときは僕も行きたいですね

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  3. 匿名1/11/2008

    のぞーる>>
    やっぱ関西はおもろいよ♪笑いが温かいんだよね~

    かとちゃん>>
    おお、かとちゃん。俺歌ってたの?1時間でにごり3杯飲んだから、あんたに会うた時はベロベロやったさ。あはは。ほな次回行こや!

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