報せませり

ここにきて、毎日、日課じゃなくて楽しみを少しづつ増やしている。
意識的に少しづつ。

昨日の夕方は、風がとても強かったけど、そのせいか雲のたなびく様がとても美しくて何となく絵を描いてみた。鉛筆をナイフで削って。絵心が自分にあるとは思わないけど、こんな気持ち何年ぶりだろう。

いつも朝は日の出くらいに起きて、縁側に日があたるまでの数時間をゆっくりダルマストーブに中り、コーヒーを飲んで朝食をとり、本を読んだり何もしなかったりのんびりと過ごしている。

先週末友人がつくってくれたポトフの残りにクラッカーを浸して。



友人は料理のセンスがないなんて可愛く謙遜してたけど、まったくそんなことはない。作り手の心がしみるスープは、寒い朝にはうってつけ。

今日は火をおこしたものの落ち着かず、朝の散歩をしてみる。散歩といっても敷地内。移り住んでまもない土地だけど、たくさんの人の関わりがある場所。ひとりひとりを思い浮かべることができる。またもや寒さがぶり返したけど、気持ちはもう春。茶色い絨毯に緑の染み。小さな小さな息吹に、なんだかワクワクする。すがすがしい。



梅がたくさん咲いてきた。

散歩の後、たまった食器類を一気に洗い。その後は日当たりのいい縁側のソファで読書を楽しむ。ロシア文学が好きなもので、カラマーゾフの兄弟をまた読んでみることに。拝啓ドストエフスキー様、あなたのなまなましい人間描写にはいつも感服させられます。

お昼ごはんは焼きソバ。



七輪で中華鍋を振り回す楽しさ。火力調整は鉈できざんで用意した木の切れ端で。炎の料理人になった気分。

午後からは、離れの下の畑を少し片付ける。敷地のあちこちにささっていた、固いビニールで覆われている棒。自然素材以外でできた農業資材は、畑には似合わないと思う。生産効率を追究しても、結果残るのは痛めつけられた姿。やむにやまれないことが、大地や人の心から何かをうばっていく。そして病んでいく。

虫の報せが聞こえる。
心を解き放てば、
あなたの声も聞こえる。
私の声もあなたに届く。
すべてが報せ。

まだまだ聞こえる。

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