ゲド戦記Ⅰ 影との戦い

ジブリのDVDを見てイマイチわからなくて(後で調べてみると、ジブリのゲド戦記は内容的にかなり酷評されているよう)本を読んでみることに。ゲド戦記第一巻「影との戦い」。ゲドが幼年期から魔法使いになる過程が書かれている。魔法の学校で優等生だったゲドは、そそのかされて自分の力ではコントロールできない魔法を使い、影を呼び起こしてしまう。影とは心の闇、憎しみや傲慢。そして誰もが持っているもの。影は自らが自らに作り出したもので、影と向き合い受け入れ制御することで自己の均衡が保たれる。影は恐怖と死をもたらす敵となり、また自己、人間を人間たらしめる重要な要素ともなる。誰しもが内なる自己に潜めている慢心な心と向き合うことで、より強固な均衡のとれた人間になれることを架空の物語で現実的に見事に示唆してくれる、ファンタジーならではの良書であると思う。

内なる自分と外との折衝は、二律背反しながらも関係せざるをえない自己矛盾という永遠のテーマであり、光と影がひとつの均衡としてしか存在しえないなら、影に溺れ、影を知り、影を捉えることが人生なのか。

1 件のコメント:

  1. なんか難しい感じじゃーん!
    飲み込まれない様に明るくがんばりましょー!

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