いよいよ第三巻を読み終えた。この第三巻がジブリ化された元ネタでもある。
第一巻では光と闇、内なる自分との戦い。第二巻では闇が支配した世界の開放。そして第三巻では人々に魔法が信じられなくなり、名前や秩序を失った世界の均衡を取り戻すための旅が語られる。
世界の均衡が壊れた原因。
均衡。石を拾いあげれば大地は軽くなり、石を持った手はそれだけ重くなる。森羅万象変化が生じ、全体の均衡へと関わる。暴風もクジラの潜水も枯れ葉が舞い落ちるのもブヨが飛んだりするのも、すべてのことが本性にのっとって自然に行われ、何一つ全体の均衡を崩しはしない。人間は選択が許されているからこそ責任をもって、どうしたらその均衡が保たれているのかを学び行動しなければならない。しかし、人間の何かをすることよりも何もしないことの難しさ。
さいはての島で見つけた不均衡の源、黄泉の国で生から死への変化を拒否するものとの壮絶な戦い。世界とは何か。光りとは、闇とは、無とは、自己とは、生命とは。純粋な生への希望であるとともに、死への恐怖を超越しようとする欲望。しかし不死や変わらないものは、生でもなく死でもない。
ゲド戦記、十年後にも再読すべきもやもやファンタジー。
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