3月最後の日。午前中、雲が覆い緩やかな風が吹く。刈たての頭が寒々しい。防寒着なしでは外にいられない。
ジャガイモの種芋を植える。溝を掘り、畝をたて、種芋を真っ直ぐ等間隔に並べる。芋の植え方にもいろいろある。土を耕す耕さない、地面より浅く掘るのか深く掘るのか。失敗が許される限り経験を積み重ねたい。確かなことは、種芋よりも下には新しい芋は育たない。野菜に限らず、すべて起こるべくして生きていると思う。
夕方に今日別れる友人と恵林寺の桜を見に行く。閉館前のお寺は人もまばら。静かに咲く桜を楽しむ。よく見ると、淡いピンクの花の中に、すでに新芽の緑が顔を見せていた。桜は一年に一度の特別な気持ちを毎年与えてくれる。固まっていたものが緩み、一気に溶けだす季節の変わり目に、華やかに足早に、そっとメッセージを残し散っていく。
友人たちと過ごす夜。慣れ親しんだ慌しさの中に、新鮮な気分が混じり込んでいる。
そっと看板を下ろし、とまった時計を外す。新しい季節、新しい日々のはじまり。OPEN。
愛についての、ダライラマの言葉。
「愛」とは、いかにそれが大切であるか
いかに役立つものであるかをじっくりと考え
何回も繰り返し考えていくことによって、
自分自身で育てていくものです。
相手の苦しみをなくしてあげよう。
自分がその責任までを負ってあげよう、という
「強い心の勇気」が必要です。
その「強い心の勇気」こそが、
「愛」という名で呼ばれている
人間の優れた性質です。
自分自身を愛することが
わからないでいる。
忘れながらも、
何回も繰り返して考え続けようと思う。
愛。
強い心の勇気。
3月が終わった。
4月が始まる。
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